副業について

【なぜ副業をするのか】50代だからこそ、副業をしたほうがいい理由 

なぜ副業をするのか

子どもの教育資金でお金がかかり、あまり貯金がないの。
収入が増えるわけでもないし、老後が不安…。
でも何とかなるのかな…。
それ以前に今の仕事が続けられるか心配。
手に職をつけておけばよかった…。

将来のことを考えると不安がつきないですよね。
私も、将来の収入のことや働き方については、ずっとモヤモヤとしていましたが、
日常の生活の忙しさを理由にして、つい後回しにしていました。
社内の異動があり、ようやく真剣に考えるようになりました。

この記事は、次のことがわかる内容です。

・モヤモヤとした将来の不安をデータを元に明確化できる
・その対策に副業が適していることがわかる

生命保険会社勤務19年の筆者が、金融庁のデータをもとに記載しました。
副業を決心した私が、同じ悩みを持つ同世代に共有したい内容です。

【自分という資産のリスク分散】
1つの会社に依存することはリスクである

「終身雇用制度は終わる」と知っていながらも、対岸の火事と思っていませんか?
残念ながら、早期・希望退職が加速しています。

本年度に早期希望退職を募った主な企業です。

・2022/11/11 ワコールHD事業子会社
wacoalholdingsnews20221111_6.pdf
250人の早期退職募集。
勤続15年以上で販売職を除く従業員。45歳以上の正社員など約700人が対象。

・2022/10/11 日本ペイントHD
希望退職制度「ネクストキャリアプラン」実施結果のお知らせ | 日本ペイントホールディングス (nipponpaint-holdings.com)
希望退職応募271人。2022年12月31日現在で満50歳以上・勤続年数1年以上の正社員、定年再雇用社員、契約社員(非常勤除く)。

・2022/10月 小田急百貨店
odakyu_2022.2Q_tansin.pdf
希望退職の実施。2023年2月28日時点において、勤続5年以上かつ満35歳以上の者。250名。

・2022/5/31 「クレベリン」の大幸薬品
00.pdf (eir-parts.net)
30人程度の希望退職者を募る。40歳以上59歳未満の社員らが対象。

・2022/5/25 医療機器メーカーのPHCホールディングス(旧パナソニックヘルスケアホールディングス)と事業子会社PHCの本社部門
00.pdf (eir-parts.net)
勤続10年以上の社員および再雇⽤者で会社が認めた者。募集⼈員は特に定めない。

・2022/5/13 旅工房
00.pdf (eir-parts.net)
30歳以上の正社員が対象、約70人の希望退職を募る。

・2022/3/25 繊維機械などを手掛ける津田駒工業
Dh98RQVAA (tsudakoma.co.jp)
社員の約1割にあたる100人程度の希望退職者の募集。50歳以上65歳未満の正社員および60歳以上の嘱託社員。

・2022/2/28 オリオンビール
退職日となる5月31日時点で30歳以上の社員を対象。

・2022/1月 富士通
50歳以上の幹部社員で早期退職の希望者を募る。富士通と国内グループ会社の大半で実施。

勤続年数が長い社員、50歳前後から以降の年齢が対象となることが多いです。
これは男女問わず同じリスクを抱えているということ。
上場企業勤務で安定した給与を受け取っていた方でも安心はできません。
会社は人材の若返りを図りたい傾向があります。

定年までその会社にいることができたとしても、今の仕事内容が続けられるかわかりません。社内の組織変更などで、思いもよらぬ部門への異動もあるでしょう。
これまで頑張ったからといって、かならず報われることではないのが、サラリーマンの悲しい現実です。

また、リーマンショックや震災、新型コロナウイルスの影響のときのように、個人ではどうにもできないことで仕事を失うリスクがあります。
若い世代とは違い、50代は選択肢が狭く、再就職に時間がかかることがあります。

【資産を確認しよう】自分の老後は自分で準備する

まず、現在の収入と支出を把握しましょう。
金融庁の資料(金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書)からもわかるように、1994年ごろから収入面は減少傾向にあります。
収入額は「45歳~54歳」が最も高い金額、次いで「55歳~64歳」
年金受給となる65歳以降は、収入は現役世代の半分以下となります。
収入は減少傾向になるとはいえ、今が一番老後に備えることができるチャンスと考えましょう。

高齢社会における資産形成・管理_収入減少図
出典:金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書
「高齢社会における資産形成・管理」 01.pdf (fsa.go.jp)

収入は減少傾向ですが、一方で支出は増加傾向。
以下の図のように、社会保険料も年々増加しています。
新型コロナはやや落ち着いたようですが、円安やウクライナ情勢の影響で支出はさらに上がる傾向。

高齢社会における資産形成・管理_社会保険料増加図
出典:金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 
「高齢社会における資産形成・管理」 01.pdf (fsa.go.jp)

まずは支出の見直しをしましょう
子育てが終わっているのであれば、生命保険の見直しの時期です。
大きな死亡保障は不要かもしれません。
自分の時間が持てるようになって、飲み会やランチで交際費がかさんでいませんか?
格安スマホにしている方も多くなっていますが、不要なオプションをつけていませんか?
あまり使わないサブスクに入っていませんか?
年会費を払いっぱなしのクレジットカードに入っていませんか?
自分へのご褒美にお菓子を毎日コンビニで買っていませんか?

不要な出費を抑えることは、一番簡単な貯蓄です。

次は年金生活になった世帯の収入と支出の図で、将来の心配をしましょう。
頼りにしたい退職金ですが減少傾向です。
これは「勤続35年以上の者を対象」となっているので、実際はもっと少ないでしょう。
2017年時点で平均1,700~2,000万円。ピーク時より3割ほど低下しています。

高齢社会における資産形成・管理_退職金減少図
出典:金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 
「高齢社会における資産形成・管理」 01.pdf (fsa.go.jp)

そして、一時期大きく取り上げられた「老後2,000万円問題」
先ほどの退職金が「平均1,700~2,000万円」だったことを念頭において考えましょう。

2000万円問題図
出典:金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 
「高齢夫婦無職世帯の収入・支出」 02.pdf (fsa.go.jp)

収入も年金給付に移行するなどで減少しているため、高齢夫婦 無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は約5万円となっている。 この毎月の赤字額は自身が保有する金融資産より補填することとなる

出典:金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 
「高齢社会における資産形成・管理」 01.pdf (fsa.go.jp)

試算された当時で発表された金額が、高齢夫婦無職世帯の平均貯蓄額=2,484万円必要。
物価高や社会保険料の増加傾向などを考えると、さらに準備が必要です。
退職金平均額が「平均1,700~2,000万円」ということだったので、退職金をすべて老後資金への貯金としたとしてでも500~800万円追加の資金準備が求められます。

あっこ

「毎月の赤字額は約5万円」で済むとは思えないけど、最低限の目安よね。

生きているあいだ働かなきゃいけないのに、リストラや給与ダウン…。
どうしたらいいんだろう。

あっこ

ここで注意! 「あと15年しかない」「10年しかない」と思うと、
ハイリスクハイリターンの投資話の餌食になります。焦りは厳禁!

老後生活設計検討

“リタイヤ期前後であれば、自身の就労状況の見込みや保有している金融資産や退職金などを踏まえて後の資産管理をどう行っていくかなど、生涯に亘る計画的な長期の資産形成・管理の重要性を認識することが重要である。

出典:金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 
「高齢社会における資産形成・管理」 01.pdf (fsa.go.jp)

FPの私が、50代の方におすすめする老後の準備は、次の①~⑤。
まだまだ現役で働けます。
落ち着いて、④に記載のとおり「長期的」に分散投資をしましょう。

①現在の収支の確認。現時点から無駄の削減をする
②現在の財産状況を確認をする(預貯金。ローンの残高。近い将来の家の修繕など予定される支出など)
③退職金の確認。退職金の使い方を早い段階で検討する
④①~③をふまえ、余剰資金の長期的な資産運用(長期・分散・積立の投資)を行う
本業の収入があるうちに、今から長く続けられそうな仕事への準備をする

⑤の手段の1つが「副業」をスタートすることです。

【50代の今こそチャンス】
副業をすることで、かなえられること

会社員としての収入がありながら、副業で所得増加

節約で支出を抑えることはできますが、収入を増やす手段は限りがあります。
50代になると収入を増やすための転職は厳しくなります。
収入を増やすには、本業を続けながら収入源を増やすことがベストです。

増加した収入を元に手堅く投資。無理がない将来への資産運用ができる

不安に踊らされることなく、副業で老後に備えましょう。
余剰資金での投資であれば、現時点での不安も軽減されます。

副業ブログで月5万円収入が得られるように準備をする

年齢が高くなると、病気などで仕事ができず収入がダウンしてしまう可能性があります。
自分が稼働していなくても収益が発生するブログを準備することがおすすめです。
年金+ブログ収入で、金融庁試算データの「毎月5万円の赤字」の補填が見込めます。
すぐの収益化は難しいですが、働けなくなってから準備するよりも、今から準備をするとよいでしょう。

新しいことへの学びのきっかけとなり、スキルアップにつながる

これまでの会社員や主婦の経験を活かして副業をすることが多いと思いますが、
あらためて学び直しをしてみると、新しいことに直面する機会があります。

あっこ

私は保険会社の中の人でFP資格保有者ですが、副業のためにお金の勉強をしなおしました。
暗号資産などは、これから伸びていくジャンル。学ぶとワクワクします

在宅ワークで、尚且つスキルが向上する副業を今のうちに行うと、退職後の武器になり、体が老いても働ける安心感があります。

・WEBライター
・ブログ
・WEBデザイン
・プログラミング
・動画編集

AIが将来する仕事になるんじゃない?


そのとおりAIができる仕事になると予想します。しかし、今すぐ一気に変わるものではないと思います。
将来AIに代わるといわれている仕事は、WEB上以外でも多くあります。
例えば「一般事務」。
将来AIが出来るという理由で、現在50歳の人が転職を考えるのでしょうか? 
おそらく「10年後の定年まで事務職がいい。AI化が進んだら、AIがしない事務業務を行う」という想定になるのでは。

WEB上の仕事も同じです。
AIが一般化するあいだに、「AIができないこと」ができるようになればいいのです。

WEB上で副業を行うと、本業以外の情報を知る機会が増え、ITリテラシーが高まります。
AI化についてもアンテナが立ち、先手をうつことができます。

本業を辞める選択肢ができる

50代前後は早期希望退職にリストアップされたり、意に沿わない異動や処遇変更の可能性があったりします。この年まで頑張ってきたのに悲しい思いになりますよね。

「会社を辞めてしまいたいけど、あと10年の辛抱」という思いは立派です。

でも、「いざとなったら、自分軸で仕事を決めることができる」という会社員の安心材料を持ってほしい。

別の収入源があれば、「減収」「家族からの反対」というリスクが低く抑えられます。

本業に熱意を持って取り組んでいる頑張り屋の人にこそ、副業への熱意の分散をおすすめします。

インターネット上での仕事が豊富で、居住地の影響が少ない

仕事を探そうとすると「キャリア育成のため40歳以下」の募集が多く、デスクワークの仕事探しは厳しいです。
さらに田舎になると、そもそも企業数自体が少ないことがデメリット。
しかし、インターネットは場所を選びません。
静かな田舎で仕事ができることがメリットです。

特技や趣味、これまでの経験を活かして収入を得て、他者へ貢献することができる

例えば、ブログは収益化に時間がかかるものですが、コンセプトは自分次第。
経験を活かした投稿記事で、サイト訪問者の問題や悩みを解決することができます。

経験を活かしてオンラインでもオフラインでも講師となることも可能です。
人前でのお話が苦手であれば、電子書籍などのコンテンツを作成するのもいいでしょう。

WEBライター業は、これまでの長年の経験が財産となる仕事です。
Google検索の上位表示は、実際の経験談などの一次情報が重要視される傾向があります。
成功体験・失敗経験・好きなこと・おすすめしたいことなどが、山のようにあるのが年齢を重ねた人間の強味。
特にこの年代の失敗経験は個性もインパクトも強く、若手との差別化になります。

あくまでも「ビジネス」なので、簡単で楽なことではありません。しかし、低リスクでスタートできるのであれば、興味があることからやってみる価値は大いにあると思います。

【どんな50代になりたい?】いくつになってもステキな女性でありたい

今は多くの企業で女性管理職が活躍中です。カッコイイですよね。
あなたの考えるステキな女性とはどのような女性でしょうか?

会社でキャリアが積めないのなら、他でキャリアを積めばいいのです。
本業があるからこそ、副業は自分がやりたいことができます。結果、笑顔になれます。

副業であれば、自分次第でなりたい自分が目指せます。
「いろいろなことを試してみて自分に合う仕事をみつけたい」
「月5万円プラスしたい。体力に自信ないから在宅で働きたい」
「ゆくゆくは、会社を立ち上げたい」
冗談まじりに、このような自由な夢を笑って語れることも楽しさの1つ。

遠慮なくステキな女性を目指しましょう。

【まとめ】なぜ副業をするのか

・1つの会社に依存することはリスクである。
・自分の老後準備は必須。今から準備スタート。
・副業でかなえられることは多い。収入の安心材料のみならず、人間力が向上する。

誰もが人生100年の残り半分がハードモードとなる可能性があるのです。
その危険信号に気づけたときがチャンス。
思い切って副業にチャレンジしてみましょう。

5年後、10年後に「あのときがターニングポイントだった」と、笑顔で言う姿が楽しみです。